ユダヤ五〇〇〇年の知恵――聖典タルムード発想の秘密

- 著者:M.ラビ・トケイヤー/加瀬英明(訳)
- 出版社:講談社
- 出版日:1993/09/07
- ISBN:9784062560085
書評
『タルムード』に蓄積された問いと答えを手がかりに、逆境で折れない思考法・現実的な交渉術・学びの姿勢を紹介する一冊。善悪の断定より「どう解決するか」を優先する視点が、仕事や人間関係の行き詰まりをほどくヒントになる。
【どんな本?】
250万語ともいわれるユダヤの口伝・議論の集積『タルムード』から、日常に効く“考え方の型”を抜き出して紹介する文庫。苦難の歴史を生き抜いた共同体が、迷い・不和・損失に直面したとき何を基準に判断してきたのかを、エピソードとともに辿れる。
【刺さるポイント】
道徳の正しさで相手を追い詰めるより、目的(回収・合意・再発防止など)に焦点を当てて現実解へ寄せる発想が強い。議論文化そのものが“答え”で、問いを立て直し、前提を洗い、複数案を並べて損益で選ぶ――この手順が、現代の意思決定にもそのまま移植できる。
【使いどころ】
交渉、チーム運営、学習習慣づくりで効く。読むと「相手を変える」より「条件を変える」「問いを変える」方向に思考が動きやすいので、感情的な対立を一段冷まして設計に戻したいときの“再起動本”としておすすめ。
