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無罪請負人――刑事弁護とは何か?

無罪請負人――刑事弁護とは何か?

  • 著者:弘中 惇一郎
  • 出版社:KADOKAWA(角川新書)
  • 出版日:2014/04/08
  • ISBN:9784041107645

書評

「有罪率99.9%」と言われる刑事司法の怖さを、第一線の弁護士が実例で語る。郵便不正事件や国策捜査、薬害、ロス疑惑などを通し、取調べ・検察・裁判・メディアがどう“真実”を歪め得るかが見える。冤罪を遠い話にしない一冊。

【どんな本?】
“無罪請負人”の異名を持つ刑事弁護士が、刑事裁判の現場で何が起きているのかを、実際に関わった事件を軸に描くノンフィクション。郵便不正事件、小沢一郎氏への捜査、薬害エイズ、ロス疑惑など、ニュースで見た出来事が「弁護側からどう見えていたか」に切り替わる。

【刺さるポイント】
怖いのは“悪意ある誰か”だけじゃなく、組織の論理と世論の空気が、結果として冤罪や偏った判断を呼び込むこと。取調べ、検察のストーリー、裁判の構造、そしてメディアの増幅——それぞれが独立に見えて、実は同じ方向に人を押す。読み進めるほど「刑事弁護とは、権力と空気の両方を相手にする仕事なんだ」と腑に落ちる。

【読みどころ】
事件ごとに、どこで歯車が狂い、どこで巻き返せた(あるいは難しかった)のかが具体的。単なる告発本ではなく、“現場の作法”と“勝負の勘所”が見えるのが面白い。

【こんな人に】
社会のルールを「仕組み」として理解したい人、冤罪や国策捜査の話題で感情論から一歩出たい人、報道を鵜呑みにせず自分で考えたい人に強くおすすめ。