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株の怪物 仕手の本尊と呼ばれた男・加藤暠の生涯

株の怪物 仕手の本尊と呼ばれた男・加藤暠の生涯

  • 著者:西﨑伸彦
  • 出版社:宝島社
  • 出版日:2025/02/21
  • ISBN:9784299055958

書評

“兜町の風雲児”と呼ばれ、1000億円規模を動かした伝説の相場師・加藤暠。その人脈と仕手戦の舞台裏を、膨大な遺品・記録と長期取材で追う。株の世界の熱と闇、そして一人の男の業が、生々しく立ち上がる人物ノンフィクション。

【どんな本?】
投資家集団「誠備」を率い、“仕手の本尊”と呼ばれた加藤暠の評伝。遺品の段ボール箱数百箱や記録メモを手掛かりに、死と紙一重の仕手戦、株マネーと事件史の地下水脈、そして相場の裏街道を生きた男の波乱を描く。

【刺さるポイント】
面白さの核は、株の勝ち方より「相場が“社会の裏側”と接続している現実」を見せるところ。政治家・官僚・右翼・暴力団組長にまで伸びる人脈が、相場を単なる市場ではなく“力の結節点”として浮かび上がらせる。数字のゲームだと思っていた世界が、欲望・恐怖・忠誠・裏切りで動く生身のドラマになる。

【読みどころ】
著者の長期取材(『週刊文春』連載に大幅加筆)ゆえ、エピソードの密度が高い。場面ごとに「資金はどこから来るのか」「なぜ人は巻き込まれるのか」が具体で、読後に“仕手”という言葉の輪郭が変わる。

【こんな人に】
相場の世界を歴史・事件・人物で理解したい人、投資本の“成功談”に食傷している人に。市場の熱量を感じながら、同時に距離を取る目も養える一冊。