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ヒルズな人たち――IT業界ビックリ紳士録

  • 著者:佐々木 俊尚
  • 出版社:小学館
  • 出版日:2005-04-01
  • ISBN:9784093875646

書評

ホリエモン、孫正義、三木谷浩史など“ヒルズ族”と呼ばれたIT起業家10人の栄光と挫折を、逸話中心にテンポよく追う人物ルポ。成功の裏の性格・決断・危うさが見えて、相場やビジネスの熱狂を一歩引いて眺められる。

『ヒルズな人たち――IT業界ビックリ紳士録』は、2000年代前半のITバブルとその余熱の中で脚光を浴びた起業家たちを、“すごい成功物語”だけにせず、癖・弱さ・転落の気配まで含めて描く人物ルポだ。ライブドア堀江貴文、ソフトバンク孫正義、楽天三木谷浩史、サイバーエージェント藤田晋など、名前だけ知っている人の「どんな局面で勝負し、何を代償にしてきたのか」がエピソードで立ち上がる。

読みどころは、成功の要因が“頭の良さ”よりも、情報の取り方、勝負の張り方、周囲の巻き込み方、そして危ない橋を渡る胆力に寄っている点が生々しいところ。同時に、上り調子の時ほど判断が荒れ、資金や世間の視線に飲まれていく危うさも隠さない。だから読後感は「憧れ」より「教訓」に近い。ビジネスで一発を狙う人にも、投資で熱くなりがちな人にも、“上振れ局面の自分”を点検する材料になる。読後は、登場人物ごとに①勝負した理由②リスクの取り方③崩れた兆候、をメモすると、物語がそのまま意思決定の教材になる