マンガ マネーロンダリング 消えた50億円

- 著者:橘 玲/幸(作画)
- 出版社:パンローリング
- 出版日:2006/10/03
- ISBN:9784775930311
書評
香港で漂う男の前に現れた美女。依頼は「5億円の脱税」――のはずが、実は50億円。金と女が消えた瞬間から、追う側と追われる側が反転し、都市の闇と人間の欲が加速する。金融“知識”より、金融をめぐる現実の怖さが胃にくるサスペンス。
【どんな本?】
橘玲の金融小説『マネーロンダリング』をマンガ化した作品。舞台は香港と東京。フラフラ暮らす主人公の前に、超ド級の美女が現れ、脱税の依頼を持ちかける。ところが数カ月後、金額が「5億」ではなく「50億」だったと判明し、さらにその大金とともに彼女が消える。そこから物語は、金の流れを追う“現実”へ一気に引きずり込む。
【刺さるポイント】
このマンガの強さは、マネーロンダリングを“仕組みの解説”にせず、「金が動くと人が壊れる」方向で見せ切るところ。合法・違法の境界がグレーな世界で、登場人物たちの言い分はどれもそれっぽいのに、最後は欲と恐怖が勝つ。その空気が、都市の夜景やテンポの速い展開と相性が良く、読後に「金の匂いがする話は、だいたい危ない」と身体に残る。
【活かし方】
読み終えたら、自分の生活に引き寄せて「怪しい話の見分け方」を1枚メモにすると効く。たとえば、①急に大金が出る ②短期で確実 ③説明が抽象的 ④関係者が増えるほど責任が薄まる――この4つが揃ったら距離を取る、など。娯楽として読んで終わりにしないと、学びになる。
【こんな人に】
金融×サスペンスが好き、テンポ良く“危ない匂いのする世界”を覗きたい人に。金融の教科書を期待するとズレるが、「現実の怖さ」を掴む入口としては抜群。
