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心理学者の株式投資

  • 著者:橘聰
  • 出版社:同友館
  • 出版日:2010-04
  • ISBN:9784496046728

書評

心理学者の視点で「相場で負ける理由」を感情と行動の癖から解剖し、勝つ以前に“壊れない型”を作る本。欲・恐怖・希望的観測をどう抑え、仕掛けと手仕舞いをルール化するかが主題。テクニックより、売買日記と検証でブレを減らしたい人に刺さる。

『心理学者の株式投資――私はこれで大学を辞めました』は、相場を「当てる/外す」の世界から引き離し、投資家が自滅する原因を“心理と行動”の側から整える一冊です。相場で多くの人がやられるのは、知識不足よりも、恐怖で投げる・欲で追いかける・都合の良い材料だけ拾うといった、脳の自然な反応に従ってしまうこと。本書はそこに光を当て、感情をなくすのではなく、感情が出ても破綻しない手順(ルール)を先に作る方向へ導きます。

読み味は派手な必勝法ではなく、“勝ち続ける以前に負け方を管理する”ための地味な基礎工事。何を根拠に入るのか、どこで間違いと認めて降りるのか、どのくらいの損失まで許すのか――この3点が曖昧なまま売買回数を増やす危険を、心理学者らしく言語化してくれます。

おすすめの読み方は、本を読み切ることより、刺さった章ごとに自分の「悪い癖」を1つ決め、売買日記のテンプレ(入る理由/撤退条件/実際の感情/次の改善)に落とすこと。相場の情報洪水で判断がブレる人、損切りが遅れて傷を広げがちな人ほど、効くタイプの“矯正本”です。