相場師奇聞
- 著者:鍋島高明
- 出版社:河出書房新社
- 出版日:2003-12
- ISBN:9784309905587
書評
投機史を彩る相場師32人の波瀾万丈を、逸話と写真で一気読みできる人物列伝。天一坊、本間宗久、金子直吉、ジョセフ・ケネディ、モルガンなど“勝者と敗者”の決断と破綻が見える。相場の技術より、人間心理と資金管理の要点が腹落ちする一冊。読み物としても面白い。
『相場師奇聞』は、兜町の魔術師・天一坊からウォール街の帝王J.P.モルガンまで、投機史に名を残した相場師32人をエピソードで追う人物列伝。相場の勝ち方を直接教える本ではなく、「なぜ勝ち、なぜ負けたか」を人生の曲線ごと見せてくれる。成功者の共通点は、チャンスを嗅ぎ分ける胆力だけでなく、資金の扱いと撤退の決断が早いこと。一方で、破滅側の物語には、慢心・過信・借金の膨張といった“人間の癖”がはっきり現れる。貴重な写真が多く、当時の熱量や空気感が伝わるのも魅力だ。おすすめは、気になった人物ごとに①勝負した理由②資金の作り方③崩れたきっかけ④退き際、をメモし、自分の売買日記の項目と照合する読み方。読み終えたら、ルールを「入る条件」より先に「やめる条件」「損失上限」から書き直したくなる。歴史の失敗談は、最も安い授業料で学べる最高の教材だ。株だけでなく、仕事や起業の意思決定にもそのまま効く。読み応え十分。
