三猿金泉秘録-和歌で相場道を極める-

- 著者:喜多村 政一
- 出版社:ストックマーケットサービス
- 出版日:1991
- ISBN:9784925152051
書評
江戸期の相場奥義を、和歌と箴言で凝縮した“相場の聖典”。相場は材料より「時」と「人気」を読む——待つ、逆張り、分割、利食い・損切りの勘所が短文で刺さる。短期の必勝法ではなく、心の揺れを整えたい人の座右の書。まずは気になる句を貼って、相場日記に当てはめたい。
『三猿金泉秘録』は、江戸期から伝わる相場格言・和歌を通して「相場の読み方」を叩き込む小冊子。チャートや指標の解説よりも、相場師が最終的に向き合う“時間(時節)”と“群集心理(人気)”に焦点がある。上げ下げの理由探しに迷い込むより、相場の波がどこにあるか、過熱と冷え込みがどこで反転しやすいかを、短い言葉で何度も示すのが特徴だ。
内容は地味だが、逆張りの根拠、待つ姿勢、分割で建て玉を調整する発想、利食いと損切りの腹の括り方など、実践者の“心の操作”に直結する。とくに「良い情報がそろった時ほど天井に近い」「総悲観の底で芽が出る」といった逆説は、知識よりも感情が負けを作る局面で効く。
おすすめの読み方は、通読して理解するより、気になった句を抜き出して①いまの相場状況(上昇・下落・もみ合い)②自分の建て玉③次の一手、の3点に当てはめてメモすること。短期で当てたい人には物足りない一方、売買のブレを減らし、同じ失敗を繰り返さない“型”を作りたい人には、長く効く古典だ。
