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現代に息づく陰陽五行【増補改訂版】

  • 著者:稲田義行
  • 出版社:日本実業出版社
  • 出版日:2016-03-20
  • ISBN:9784534053701

書評

陰陽五行を「占いの用語」から、日本文化と暮らしの基盤として理解したい人は買い。五行・十干十二支・暦・卜・方位を一気通貫で整理し、年中行事やしきたりの“なぜ”が腑に落ちる。東洋医学との関係にも触れ、迷ったら該当章を引く辞書型で使える一冊。

『現代に息づく陰陽五行(増補改訂版)』は、陰陽五行を“占いや風水の言葉”としてではなく、日本の文化・思考の土台として捉え直す入門書。五行の基本から、十干十二支、暦と時、卜(うらない)、方位、そして日本版陰陽道の成立までを章立てで追い、バラバラだった知識を一本の体系に束ねてくれる。増補改訂では五行説の解説が厚くなり、東洋医学とのつながりにも踏み込むため、健康や体質の話題に興味がある人にも入口になる。ポイントは、単なる知識の暗記ではなく「なぜこの風習が残ったのか」「方位や暦が生活の設計にどう使われたのか」を、背景ごと理解できること。読み方のコツは通読で全体の地図を作りつつ、気になったテーマ(方位、干支、年中行事など)を逆引きして自分の生活や旅の体験に当てはめること。占い的な結論を鵜呑みにするより、文化史・思想史として味わうほど面白くなる。寺社めぐりや古典に興味が出てきた人の“次の一歩”にも良い一冊。