セルフ・コントロール 交流分析の実際
- 著者:池見酉次郎/杉田峰康
- 出版社:創元社
- 出版日:1998/11/01
- ISBN:9784422111971
書評
交流分析(TA)を土台に、感情の暴走や人間関係のこじれを「自我状態(P/A/C)」と交流パターンで見える化し、反応を選び直す道筋を示す。人生脚本や基本的構えまで踏み込み、自己理解を“行動の改善”に接続できる実践書。
【どんな本】
「セルフコントロール」を、根性ではなく“理解と技法”で可能にする本。交流分析(TA)を、九州大学心療内科での経験や東洋思想の感性を踏まえて、日本人の生活感覚に寄せて解説している。
【核になる見取り図】
中心は「三つの私(P=親/A=大人/C=子ども)」という自我状態モデル。いま自分がどの状態で反応しているかを言語化できると、衝動や不安に“乗っ取られる”感覚が薄れ、A(大人)に戻る選択肢が増える。ここが本書の一番の実用ポイントだ。
【人間関係に効く理由】
問題を「性格が悪い/相手が悪い」に回収せず、交流(やりとり)を構造として見る。すると、同じ場面で同じ揉め方を繰り返す理由が見え、関係の詰まりが“修理可能な現象”になる。第4章の交流の分析へ進むほど、対人ストレスが整理されていく。
【読みどころ】
前半で自己理解(現実の私と本当の私、P/A/C)を固め、中盤で人生脚本・基本的構えに踏み込むことで、「なぜいつも同じ選択をしてしまうのか」を掘り当てる。最後に自己分析の学び方まで用意されていて、読後に“続けられる形”で終わるのがいい。
