もしも徳川家康が総理大臣になったら
- 著者:眞邊明人
- 出版社:サンマーク出版
- 出版日:2021/03/17
- ISBN:9784763138804
書評
コロナ対応の失敗で混乱する日本。AIとホログラムで偉人を復活させ、家康が総理に就任する――という荒唐無稽設定なのに、意思決定と実行の速さが妙にリアル。リーダー像と政治の限界を、痛快さと不穏さの両方で読ませる“教養系エンタメ”。
【設定】
首相官邸でクラスターが発生し、総理が死亡。信頼を失った政府が、AIとホログラムで偉人を“最強内閣”として蘇らせる。総理に選ばれるのは徳川家康――という、まず掴みが強い。
【読み味】
面白いのは、奇抜さで押し切るのではなく、「危機のときに何を優先し、どれだけ速く決めて実行するか」を徹底的に見せる点。大胆な政策がテンポ良く進む爽快感がありつつ、人気や正義が過熱していく怖さも同時に立ち上がる。
【テーマ】
本書は歴史人物の“もしも”で遊びながら、実は現代の意思決定の弱点を炙り出す。合意形成、説明責任、メディアと世論、官僚機構、そして「正しさ」と「実行」のズレ。どれも現実の社会にそのまま接続できる問いとして残る。
【おすすめ】
ビジネス書の理屈より、物語で“リーダーの仕事”を体感したい人に向く。読み終えたら、自分の仕事や組織に置き換えて「遅くなる原因は何か」「決めた後の実行を誰が担うか」をメモすると、ただの娯楽で終わらない一冊になる。
