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歴史とは何か

歴史とは何か

  • 著者:E.H. カー/清水幾太郎(訳)
  • 出版社:岩波書店
  • 出版日:1962/03/20
  • ISBN:9784004130017

書評

歴史は「過去の事実の羅列」ではなく、現在の問いが照らす解釈の営み——。E.H.カーが史料・事実・因果・客観性をめぐる誤解をほどき、歴史家の視点と責任を示す古典。読むとニュースや教科書の“語られ方”に強くなり、考える軸が手に入る。

【どんな本?】
歴史とは結局「何を、誰が、どう語ることなのか」を、徹底的に考えさせる歴史学入門の古典。出来事そのものより、出来事が“歴史”として成立するまでのプロセス(史料の選択、解釈、因果の組み立て)に光を当てます。

【刺さるポイント】
本書の痛快さは、素朴な常識を次々に崩すところにある。「客観的事実が先にあって、歴史家はそれを写すだけ」という発想に疑問符を付け、歴史叙述を“現在と過去の対話”として捉え直す。すると、同じ事件でも語り方が変わる理由、流行する見方が生まれる理由が見えてきます。さらに因果関係・偶然・進歩といった難所も、思考の道具として整理してくれる。

【活かし方】
読みながら、自分が信じている「歴史っぽい物語」(成功物語、国の物語、会社の沿革)を1つ選び、①どの事実が選ばれ ②何が捨てられ ③因果がどう繋がれているか、を点検すると一気に血肉化します。

【こんな人に】
世界史の学び直し、ニュースの読み解き、文章で“納得させる”仕事をする人に刺さる一冊です。