中原中也詩集(新潮文庫)
- 著者:中原中也 編:吉田熈生
- 出版社:新潮社
- 出版日:2000/03/29
- ISBN:9784101290218
書評
痛みや孤独を、甘さと鋭さが同居する言葉で掬い上げる近代詩の古典。喪失、郷愁、恋、死の気配が、音楽のようなリズムで胸に沈む。元気な日に読むと世界が濃くなり、弱っている日に読むと不思議と寄り添ってくる一冊。
【どんな本?】
昭和初期を代表する詩人・中原中也の主要作品を一冊にまとめた文庫詩集。若さの昂りと、壊れやすさ、そしてどうにもならない寂しさが、独特のリズムと語感で立ち上がります。詩を読み慣れない人でも、意味より先に“音”が身体に入ってくるタイプです。
【刺さるポイント】
中也の詩は、感情を説明しないのに、感情がそのまま伝わる。ふとした一行が、過去の記憶や体の感覚を呼び起こし、読者の時間をゆっくり揺らす。痛みを美化するのではなく、痛みを抱えたまま生きる声があるから、読み返すたびに刺さる場所が変わります。
【読み方】
まずは気になった詩だけ拾い読みでOK。声に出す/ゆっくり読む/同じ詩を数日置いて読み直す、のどれかをすると、中也の“音楽性”が見えてきます。
【こんな人に】
言葉で気分を整えたい人、創作の感度を上げたい人、喪失や郷愁を抱えている人に。
