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入門経済思想史世俗の思想家たち

  • 著者:R・L・ハイルブローナー(著)
  • 出版社:筑摩書房
  • 出版日:2001-12
  • ISBN:9784480086655

書評

経済学は数式だけじゃない。スミス、マルクス、ケインズ、シュンペーターら“世俗の思想家”の人生と思想を物語として追い、彼らが何を恐れ、何に希望を託したかを描く。思想の違いが政策の違いになる理由が腑に落ち、ニュースが立体的に読める。資本主義の見取り図が整う。

『入門経済思想史 世俗の思想家たち』は、経済学を「人間が世界をどう理解し、どう変えようとしたか」という物語として読む本だ。スミスの市場への期待、マルクスの資本主義批判、ケインズの不況への処方箋、シュンペーターの創造的破壊――理論の要点だけでなく、彼らが直面した時代の恐怖や希望を背景に置くことで、なぜその発想が生まれたのかが腑に落ちる。
読み進めるほど、経済思想は「正解探し」ではなく、現実の問題に対する“視点の道具箱”だと分かってくる。だから現代のニュースで飛び交う「成長」「格差」「インフレ」「景気刺激」も、どの眼鏡で見ている議論なのかが見抜けるようになる。専門書へ進む前の地図としても、考え方の偏りをほぐすリハビリとしても優秀だ。おすすめは、各章で提示される核心の問いを一つ抜き出し、自分の仕事・投資・家計の現実に当てはめてメモする読み方。思想が“知識”から“判断軸”に変わる。読むほど視界が広がる。