マネーロンダリング(幻冬舎文庫)
- 著者:橘玲
- 出版社:幻冬舎
- 出版日:2003/04/10
- ISBN:9784344403536
書評
香港の“もぐり”コンサルに舞い込んだ依頼は、海外送金を絡めた脱税相談。だが女は消え、金は5億から50億へ膨張する。追跡劇のスリルに、国際金融・税・制度のリアルが刺さる金融情報小説。知識が物語の推進力になっていて、読後に「世の中の金の流れ」が違って見える。
【どんな本?】
香港在住の“もぐり”コンサルタント・工藤のもとに、美しい女・麗子が持ち込む依頼は「海外送金を損金として処理したい」という危うい相談。ところが数カ月後、麗子は姿を消し、金額は5億から50億へ。工藤は東京に戻り、女と巨額マネーの行方を追う。サスペンスの骨格に、国際金融と税の知識が濃く織り込まれた金融情報小説。
【刺さるポイント】
“悪いことの手口”を学ぶ話ではなく、現実の世界が「制度」「帳簿」「解釈」で動く怖さを、物語として体感させるところ。お金がどこで姿を変え、誰の責任が曖昧になり、どこで正義がすり抜けるのか。硬いテーマなのにテンポが落ちず、読んでいる間ずっと「次の一手」を考えさせられる。
【活かし方】
金融ニュースを読む前に1冊入れると、“金の流れ”の想像力が上がる。小説として楽しみつつ、制度が絡む事件報道(脱税・企業不祥事・海外送金)を「構造」で見直す訓練になる。
【こんな人に】
ハードボイルド×経済、情報量の多いサスペンスが好きな人。『タックスヘイヴン』系の世界観が気になる人に。
