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神道と日本人―魂とこころの源を探して―

神道と日本人―魂とこころの源を探して―

  • 著者:山村明義
  • 出版社:新潮社
  • 出版日:2011/09/16
  • ISBN:9784103310419

書評

神道を「古い宗教知識」としてではなく、日本人の感謝、祈り、清浄感覚、自然観、祓いの感覚の源として追ったノンフィクション。200人以上の神職取材をもとに、鎮守の森、禊ぎ、祭、伊勢・熊野・出雲、さらに宮中祭祀までたどるので、神社好きが“参拝の奥行き”を深める入口としてかなり読みごたえがある。

【どんな本?】
本書は、神道を単なる神話知識や参拝マナーではなく、日本人の精神性そのものに結びつくものとして描くノンフィクションだ。著者は全国の神社を訪ね、200人以上の神職に取材しながら、感謝の心、祈り、鎮守の森、禊ぎ、祓へ、武士道、寛容性、そして伊勢・熊野・出雲・宮中祭祀へと話を広げていく。読み味は学術書というより、現場を歩いたルポに近い。だからこそ、抽象論ではなく「神道が今も人の営みの中にどう残っているか」が見えやすい。

【刺さるポイント】
面白いのは、神道を“信仰の説明”だけで終わらせず、日本人がなぜ清めを大事にするのか、なぜ祭で共同体が結ばれるのか、なぜ自然の中に特別な気配を感じるのか、という感覚の層まで掘っているところ。章立ても「誠心」「鎮守の森」「禊ぎ」「祓へ」など、あなたの神社データ整理や神様・神社の文脈とかなり相性がいい。神社を点で見るのでなく、日本文化の流れの中で面として捉えたい人に向く。これは内容紹介と目次から見てもかなり本書の核だといえる。

【気をつけたい点】
一方で、読み口は中立的な宗教事典というより、著者自身の問題意識を強く帯びたノンフィクションに近い。なので、「客観データを淡々と学ぶ本」というより、「神道を通して日本人の根っこを考える本」として読むほうがしっくりくる。神社巡りの実用ガイドではないぶん、読後に実際の参拝や神社ページ作りへ接続すると、かなり生きるタイプの本だと思う。これは私の読み筋だが、出版社紹介の時点で“日本人らしさの原点”や“この国の基層を再発見する”ことが前面に出ている。