鎌倉 はせでら不思議物語

- 著者:松田寿空
- 出版社:かまくら春秋社
- 出版日:2017
- ISBN:9784774007168
書評
鎌倉・長谷寺のご本尊(十一面観音)の「海を渡って来た」という由緒を、僧侶でもある著者が絵本で語る一冊。霊木から像が彫られ、漂着して祀られるまでの物語が、参拝の体験を“意味”に変えてくれる。
【本書のテーマ】
長谷寺の十一面観音菩薩像に伝わる由緒を、子どもでも追える“物語”として描いた絵本。参拝で目にする仏さまが、どんな来歴を背負ってここに在るのかを、情景で伝えてくれる。
【物語の核】
中心にあるのは「霊木から彫られた観音像が海を渡り、鎌倉に安置される」という漂着ロマン。単なる伝説紹介ではなく、信仰が“土地”に根づいていく感覚が残る。
【読み味】
僧侶が自ら筆を執っただけあって、説教臭さよりも“語り”の温度がある。史実かどうかを競うより、「なぜ人は祈り、像を迎え、守ってきたのか」を感じ取れるタイプの本だ。
【刺さる読者】
鎌倉が好きな人、長谷寺に行った(行く)人、御朱印や寺社めぐりの記録を“ストーリー”で残したい人に特に向く。旅の予習にも、旅の余韻の整理にも使える。
【読後の実装】
参拝後に「①今日いちばん心が動いた瞬間②その理由③一行の祈り(または誓い)」をメモして、この絵本の物語と並べて残すと、御朱印帳が“自分の信仰史”になっていく。
