えほん観音経――たとえ火の中水の中
- 著者:松田寿空 (訳/協力表記あり):スホーンベーク吉本真奈美/鎌倉 長谷寺
- 出版社:かまくら春秋社
- 出版日:2018-01-18
- ISBN:9784774007410
書評
観音経が何を伝え、どんな教えを説くのかを、絵と言葉で“ほどく”絵本。むずかしい経典を、日常の不安や恐れに寄り添う形へ翻訳してくれる。子どもにも大人にも、祈りの入口をやさしく開く一冊。
【本書のテーマ|何をする本?】
観音経が「何を伝え、どんな教えを説いているのか」を、絵本という形式でわかりやすく解きほぐす一冊。経典の知識を増やすというより、言葉が届く“距離”まで近づけることが目的になっている。
【アプローチ|なぜ読みやすい?】
大胆な切り口と独特のタッチで、難解さの原因になりがちな抽象を、具体的な情景へ落とし込む。結果として「ありがたい話」で終わらず、自分の現実(怖れ・迷い・孤独)と接続しながら読める。
【効きどころ|読後に残るもの】
読み終えたとき、観音経が“読むための知識”ではなく、“持ち歩ける言葉”として残る感覚がある。寺社参拝の文脈なら、由緒や歴史の前に「なぜ祈るのか」を整えてくれるので、手を合わせる時間が深くなる。
【おすすめの使い方|実装】
一気読みよりも、気持ちがざわつく日に1ページだけ開くのが合う。読みながら「いま自分は何を怖れている?」「助けが必要なのはどこ?」を一行で書く。経典が“外の正しさ”ではなく、“内側の整理”として働き始める。
