ウォール街のランダム・ウォーカー
- 著者:バートン・G・マルキール(著)
- 出版社:日本経済新聞出版社(日経BPM)
- 出版日:2007-05
- ISBN:9784532352608
書評
バブルと市場の歴史を通じて、個別銘柄当てより“低コスト分散+長期”が最強と説く投資古典。効率的市場と行動ファイナンスの両面を押さえ、売買衝動を抑える仕組み作りを促す。資産配分とリバランスの基本も平易。初心者にもプロにも効く“負けない”教科書。
『ウォール街のランダム・ウォーカー』は、投資の世界で繰り返される熱狂(バブル)と、その後に訪れる冷却を丁寧にたどりながら、「相場に勝とうとするほど負けやすい」という逆説を腹落ちさせる名著だ。著者マルキールは、効率的市場仮説の視点で“予想は当たりにくい”現実を示しつつ、同時に人間の心理が生む誤り(過信、群集心理、短期志向)も取り上げ、なぜ私たちが売買を増やしてしまうのかを説明する。結論は派手ではない。低コストで広く分散し、目的に沿った資産配分を決め、淡々と積み立てて定期的にリバランスする——ミスを減らすほうが成果につながる、という“守りの強さ”だ。本版では行動ファイナンスなど当時の新しい潮流にも触れ、理屈だけでなく現実の投資家行動を踏まえて語られる点が読みやすい。
読み終えると、銘柄探しより先にルール作り(手数料の見える化、売買理由の記録、想定外に備える現金比率)が大事だとわかる。相場が荒れるほど効く、長期投資の背骨をくれる一冊。
