リーダーシップに「心理学」を生かす

- 著者:DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部(編訳)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 出版日:2005-09-01
- ISBN:9784478360859
書評
リーダーの行動を「心理学」で読み解くHBR論文アンソロジー。動機づけ・感情・認知バイアス・集団力学の視点で、なぜ人は動き、なぜ組織はこじれるのかを整理する。部下育成や会議の停滞、変革の抵抗に“構造”で当たれるようになり、感情論の消耗が減る。
『リーダーシップに「心理学」を生かす』は、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビューが編訳した論文アンソロジーで、リーダーシップを“スキル”より先に「人の心の動き」から捉え直す。組織は理屈だけで動かない。評価や指示が空回りするのは、相手の動機づけ、感情、認知のクセ、集団の力学が絡むからだ。本書はその絡まりをほどき、現場で起きる摩擦や抵抗を“性格の問題”で片付けずに、観察できる要素へ分解してくれる。読むほど、会議での沈黙、変革への反発、上司への不信感が「なぜ起きるか」を説明でき、打ち手も対話設計や環境設計へシフトする。ハウツーの即効薬ではないが、判断の土台が太くなるので、マネジメントに携わる人ほど効く。各論文を1本ずつ、今のチーム課題に照らしてメモを取りながら読むと、実装まで落ちやすい。とくに「自分の善意が相手には圧力になる」「正論が関係を壊す」といった落とし穴を、心理学の言葉で言語化できるのが強み。成果を急ぐほど雑になる“人の扱い”を丁寧に戻し、チームの空気を整えたい人におすすめ。
