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カウンセリングの理論

  • 著者:國分康孝
  • 出版社:誠信書房
  • 出版日:1980
  • ISBN:9784414403084

書評

折衷主義を軸に、主要カウンセリング理論を比較しながら「現場でどう統合して使うか」を学べる入門~中級の定番。技法より先に、援助関係・面接の目的・理解の枠組みを整理できる。理論迷子を卒業し、ケースに合わせて選び直す力がつく。研修の復習にも◎、手元に一冊。

カウンセリングを学び始めると、ロジャーズ、精神分析、行動療法…と理論が並び、どれを信じればいいのか迷いがち。本書の価値は、ひとつに“改宗”するのではなく、複数理論を理解し、ケースに応じて組み合わせる「折衷主義」を明確に打ち出した点にある。各理論の前提(人間観)と目標、援助関係の捉え方、面接で起きる現象の読み方を比較しながら整理できるので、技法の暗記が「なぜそれをするのか」という納得に変わる。さらに、理論同士を混ぜるときの落とし穴(目的のズレ、介入の根拠不足)も意識させ、安易な“いいとこ取り”を防いでくれる。読後は、クライエントの主訴・強み・環境に合わせて、①理解の枠組み(見立て)②目標③介入の選択を一枚で書けるようになり、現場の判断が安定する。おすすめは、実際のケースを一つ選び、各理論で「何が問題で、何を目指し、何をするか」を書き比べる読み方。心理職だけでなく、教師、産業保健、管理職の面談にも通用する“背骨”になる基礎書だ。