カウンセリングの理論
- 著者:國分康孝
- 出版社:誠信書房
- 出版日:1980/10/20
- ISBN:9784414403084
書評
「一つの理論だけを信じる時代は終わった」という前提で、主要なカウンセリング諸理論を要約し、違いを比較しながら“自分なりの統合”へ導く本。折衷主義を武器にするための見取り図が手に入る。学び直しにも、現場で迷った時の整理にも効く。
【どんな本?】
カウンセリングの世界で、特定の学派に寄りかかるのではなく、複数理論を理解したうえで自分の実践に統合していく——そのための「比較の教科書」。精神分析、自己(人間性)系、行動主義、交流分析など、代表的アプローチを並べて眺められる構成で、理論の“地図”を作ってくれる。
【刺さるポイント】
最大の価値は、理論を「正解探し」にしないこと。各理論の前提(人間観)・介入の焦点・カウンセラーの立ち位置が違えば、同じ相談でも見え方が変わる。本書はそのズレを可視化し、「だから折衷=なんでもアリではなく、比較研究が必要だ」と背骨を通す。理論を“使い分けの道具”に変える読書になる。
【活かし方】
読みながら、①問題の見立て(原因の捉え方)②介入(何をどう変えるか)③関係(どう関わるか)の3軸でメモを取ると、理論同士の違いが一気に整理できる。学んだ理論が増えるほど、現場の迷いが「選択肢」に変わっていく。
【こんな人に】
心理・対人支援を体系的に学びたい人、学派ごとの主張が混ざって頭が散らかっている人、実務で“このケースはどの見立てが合う?”と悩む人に。
