プロカウンセラーの聞く技術
- 著者:東山紘久
- 出版社:創元社
- 出版日:2000-09
- ISBN:9784422112572
書評
聞くのは“技術”。相づち、沈黙、質問しない姿勢など、プロが実際に使うコツを短い項目で提示する。相手を変えようとせず、波に乗って受け止めることで会話の空気が変わる。面談・クレーム対応・家庭にも即効。読み返すたび手が動く実用書。明日から楽になる。
カウンセリングの本質は「うまく話す」より「よく聞く」にある——その当たり前を、現場の手触りで具体化した一冊。東山紘久は、聞き上手とは饒舌さの反対であり、相手の言葉の流れに“波乗り”する人だと説く。相づちは種類とタイミングが命、質問(ASK)で掘ろうとするほど相手は閉じる、沈黙や間を怖がらない、説明や言い訳をしない——どれも小さな所作だが、積み重なると会話の温度が変わる。章は短く、面談・クレーム対応・家族の会話など、実際の場面で「今どう返すか」を助けてくれる。「聞き上手は話さない」「真剣に聞けるのは一時間以内」といった金言が多く、長い説教ではなく、明日の対話を整えるチェックリストとして働く。 読後は、話をまとめようと急いでいた自分に気づき、まず受け止める余裕が生まれるはず。おすすめは、気になった項目を一つ選び、次の会話で“1回だけ”試すこと。技術は反復で身体化する。机に置いて、困ったときに開ける実用書だ。
