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マンガ最高の戦略教科書孫子

  • 著者:守屋淳(著)/星野卓也(シナリオ)/anco(作画)
  • 出版社:日経BPM(日本経済新聞出版本部)〔表記:日本経済新聞出版社〕
  • 出版日:2019-04-24
  • ISBN:9784532176570

書評

孫子の名句を、職場のトラブル解決マンガ+解説で腹落ちさせる一冊。「彼を知り己を知る」「兵は詭道」などを、交渉・上司部下・チーム運営に置き換えて学べる。勝ちに行くより“負けない”型づくり。1話完結で読みやすく、学んだその日に試せる入門書。手元に置きたい。

『孫子』は有名な言葉だけが独り歩きしがちだが、本書は「どう使うか」をマンガで体験させてくれる。社長特命の“庶務特命課長”孫武七子が、職場で起きる摩擦や失敗の芽を、孫子の原理でほどいていく構成。読む側は物語の中で「まず状況を把握し、相手と自分の条件を揃える」「勝てない戦いは避け、勝てる形に整えてから動く」といった筋を自然に学べる。
マンガの後に要点解説が付くので、名句の意味がスローガンで終わらない。交渉や上司部下のすれ違い、チームの動かし方など、ビジネスの日常に落とせる“負けない”戦略が中心で、派手な必勝法より再現性が高い。古典を読む時間がない人の入口として優秀だし、原典を読んだ人にも復習の整理になる。
注意したいのは、孫子が勧めるのは相手を出し抜く小手先ではなく、無駄な消耗を避ける合理性だという点。人を操るためではなく、情報収集・準備・撤退判断を磨くために読むと効く。読み終えたら、いま抱えている課題を一つ選び、「敵(相手・環境)」「己(自分の資源)」「目的」「勝ち筋」を一枚に書き出すだけで行動が変わる。