ビジネスで失敗する人の10の法則

- 著者:ドナルド・R・キーオ(著)/山岡 洋一(訳)
- 出版社:日本経済新聞出版社
- 出版日:
- ISBN:9784532314491
書評
コカ・コーラ元社長が、失敗を招く“10の落とし穴”を戒めとして提示。慢心、責任転嫁、現場軽視、学ばない姿勢…当てはまるほど組織は崩れる。成功法より「やらないこと」を明確にし、会議と意思決定を引き締める短く鋭い経営の教科書。週1回の自己点検にも最適。
会社が失敗するのは戦略や景気だけが原因ではない——本書はその前提をひっくり返し、「失敗は人の資質と習慣から始まる」と断言する。著者はコカ・コーラ社の経営トップとして世界展開を指揮したドナルド・R・キーオ。成功談を並べるのではなく、ビジネスを壊す行動を“10の法則”として逆説的に整理するのが特徴だ。
各章は短く、読み味はエッセイに近い。それでも刺さるのは、慢心・独善・責任転嫁・現場軽視・学ばない姿勢など、どれも「一度なら些細、積み重なると致命傷」だから。特に、都合の悪い情報を遮断してしまう癖や、耳の痛い忠告を遠ざける態度は、個人にも組織にも静かに効いてくる毒として描かれる。
実用的なのは、読むたびに“自分の現在地”を点検できるところ。プロジェクトが停滞した時、チームがギスギスした時、売上が落ちた時に、原因分析より先に「自分(私たち)はどの法則に触れていないか」を確認すると、議論が感情論から行動論へ切り替わる。派手なフレームワークはないが、だからこそ普遍的。管理職だけでなく、現場の一人が読んでも効く「失敗防止のチェックリスト」として手元に置きたい。
