経済は感情で動く
- 著者:マッテオ・モッテルリーニ(著)/泉典子(訳)
- 出版社:紀伊國屋書店
- 出版日:2008-04
- ISBN:9784314010474
書評
「人は合理的にお金を使う」という前提を疑う、行動経済学の入門。損失回避・先入観・フレーミングなど、日常の買い物や投資で起きる“非合理”をクイズ形式で体感できる。意思決定のクセを知れば、ムダ遣いも判断ミスも減らせる。明日からすぐ使える実践書。
本書は、経済学の前提である「人は合理的に選ぶ」を崩し、私たちの判断が感情や思い込みにどれほど左右されるかを、身近なお金の場面で示す行動経済学の入門書。損失を避けたい気持ちが過剰な慎重さや焦りを生み、フレーミング(見せ方)で同じ内容が別物に見え、先入観が“都合の良い結論”へ誘導する——そうしたクセをクイズ形式で体験できるのが魅力だ。章立ても、日常の非合理→リスク感覚→感情と理性の綱引きと段階的で、買い物・貯蓄・投資・交渉にそのまま結びつく。とくに投資では、情報より心理が損益を左右しやすいことがよく分かり、勝ち急ぎや取り返し行動の危険に気づける。読後に効くのは、賢い人になることより「ミスが起きにくい環境」を作る発想。比較軸を事前に決める/セール表示を言い換える/衝動が来たら24時間待つ/積立や損切りをルール化して感情の出番を減らす。さらに、買った理由を一行で記録するだけでも、同じ失敗が減っていく。心理学で“お金の常識”を更新したい人にちょうどいい一冊。
