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トレードとセックスと死 ──相場とギャンブルで勝つ法

  • 著者:ジュエル・E・アンダーソン(著)/増田丞美(監訳)
  • 出版社:パンローリング
  • 出版日:2001-07-01
  • ISBN:9784939103384

書評

トレードを“ギャンブル”ではなく確率ゲームとして捉え直す一冊。ポーカーの意思決定や資金管理を軸に、勝ち続ける人の規律・損切り・メンタルの整え方を語る。運任せの当て物を卒業し、期待値と再現性で勝率を上げたい人に効く。負け方の設計が学べる、良書。

刺激的なタイトルに反して、本書が扱うのは「相場をギャンブル化させないための思考と習慣」だ。著者はポーカーをはじめとする射幸ゲームの世界を引き合いに、勝者がやっているのは“当てる才能”ではなく、確率の中で最善手を選び続ける規律だと説く。トレードも同じで、重要なのは予想の当たり外れより、資金管理・損切り・ポジションサイズ・期待値の積み上げ。負けを小さく固定し、勝ちを伸ばせる場面だけを拾う—そのために感情をどう扱うか、判断のブレをどう減らすかを具体的に考えさせられる。
相場の世界では「たまたま勝つ」経験が最も危険で、成功体験が過信と過剰リスクを呼び込む。本書は、その罠を“ギャンブラーの心”として描き、トレーダーが持つべきは熱狂ではなく冷静な手順だと繰り返す。読み終えると、手法探しより先に、ルール化(入る条件/降りる条件/1回に賭ける額)と検証の仕組みを作りたくなる。短期売買だけでなく、投資のリバランスにも通じる「負けない設計」を学びたい人におすすめ。