新・メシの食える経済学

- 著者:邱永漢
- 出版社:知恵の森文庫
- 出版日:2004-02-15
- ISBN:9784334782689
書評
“メシが食える”=収入だけでなく、心も満たされる状態。財布の一万円から始まる金銭感覚、貯蓄の習慣、投資の基本、働き方までを金言で整理。ケチと倹約の違い、リスクの取り方も。不況時代の処方箋として、景気に振り回されない“中金持ち”思考が身につく。
現代のマネー本がテクニック偏重になりがちな中、邱永漢はまず「金銭感覚」を人格の一部として鍛えるところから始める。財布の中の一万円をどう扱うか、貯蓄の習慣をどう身につけるか——小さな行動の積み重ねが、投資の判断力や独立後の耐久力になるという見立てが腑に落ちる。章立ては、貯蓄→仕事・結婚→投資(株・不動産・海外)→独立→老後の過ごし方へと広く、景気の波でも折れない「中金持ち」志向を勧める。押しつけがましい成功談ではなく、具体的な戒めと励ましが金言形式でテンポよい(不況期に効く“金言110”)。
投資の具体銘柄や最新制度の解説はないが、だからこそ時代が変わっても残る判断の軸が手に入る。初心者は「生活防衛資金→小さく分散→増やす」の順に読み替えると実践しやすい。家計簿が続かない人ほど、まずこの本から。おすすめ。
