蔵書検索

飛田新地の人々――関西新地完全ガイド

飛田新地の人々――関西新地完全ガイド

  • 著者:西本裕隆
  • 出版社:鹿砦社
  • 出版日:2016/09/26
  • ISBN:9784846311407

書評

日本最後の遊郭街とも言われる飛田新地を軸に、関西の新地11カ所の地図・写真を収録。歴史、客層、街のルールまで取材で描くドキュメントで、社会の“裏側”を生業と暮らしの目線で捉え直せる。読後、善悪だけで片付けない視点が残り、現地に行かずとも雰囲気と構造が分かる。

【どんな本?】
大阪・飛田新地を中心に、関西の「新地」11カ所を写真と地図で紹介しつつ、成り立ちや現在の仕組みを取材で描いたルポ。まえがきで現在地を押さえ、三大新地の比較、客の類型、飛田の今昔へと進み、最後に“制度としての運営”にも触れる構成(四六判176ページ)。

【刺さるポイント】
刺激の強い題材を、好奇心だけで消費せず「なぜ存続するのか」「そこで働き、訪れる人は何を求めるのか」を制度と生活の側から見せる点。街の“ルール”が生む秩序と歪みが、雇用・貧困・地域経済と結びつき、現代社会の縮図として立ち上がる。

【読みどころ】
ガイド要素(地図・写真)と、人物描写・歴史パートのバランスが良い。読後に残るのは賛否ではなく、現実をどう扱うかという問い。自分の価値観が揺れた箇所に線を引き、別の資料で確かめると理解が深まる。

【こんな人に】
大阪の都市史、周縁の社会、サブカルを「現実の構造」として読みたい人へ。読み物としても濃い。