天才数学者はこう賭ける――誰も語らなかった株とギャンブルの話
- 著者:ウィリアム・パウンドストーン/松浦俊輔(訳)
- 出版社:青土社
- 出版日:2006/12/01
- ISBN:9784791763054
書評
株もカジノも「運」ではなく確率の設計で勝率が変わる、という話を歴史ドラマ仕立てで追う一冊。ケリー基準、ブラックジャック、裁定取引などを通じて、勝つより“破滅しない賭け方”が腑に落ちる。投資の思考体力が上がる本。
【どんな本?】
株・債券から競馬・ルーレット・カードまで、「あらゆる賭け」に共通する必勝の発想を、確率・統計と金融工学の系譜として描くノンフィクション。エントロピー、ブラックジャック、裁定取引(アービトラージ)、サンクトペテルブルグの賭け、シグナルとノイズ…と章ごとに舞台が変わり、数学が現実の市場でどう機能し、どう裏切るかを見せていく。
【刺さるポイント】
核心は「勝率」より「資金配分」。どれだけ優位でも張りすぎれば破滅し、優位が小さければ“増やす速度”は遅い。だから、期待値のある場面を見つけることと同じくらい、賭け金を最適化して生き残ることが重要になる(投資で言えば、ポジションサイズとレバレッジ管理)。また、理論が強いほど“モデルが前提から外れた瞬間”に致命傷になり得る、という警告も効いている。
【向き・不向き】
向くのは、投資手法の前に「意思決定の型」を鍛えたい人、期待値・分散・リスク管理を腹落ちさせたい人。不向きなのは、今すぐ売買サインだけ欲しい人(読み物として厚めで寄り道も多い)。でも、相場で長く勝ち残る土台を作る本としては強い。
