最新行動ファイナンス入門
- 著者:ジョン・R. ノフシンガー
- 出版社:ピアソン・エデュケーション
- 出版日:2009-09-25
- ISBN:9784894716506
書評
投資判断を狂わせる「自信過剰」「後悔への恐怖」「群集心理」などの心理バイアスを、日常例と研究を交えて数式ほぼなしで解説。なぜ高値づかみ・損切り遅れが起きるのかが腹落ちし、売買ルールと検証の軸が作れる入門書。相場の感情に気づくチェックリストにも。
行動ファイナンスの名著を、投資家がつまずきやすい「心のクセ」から整理して学べる改訂版。本書が扱うのは、伝統的な理論ではこぼれ落ちがちな、判断の歪みそのものだ。自信過剰、後知恵、アンカリング、少数の法則、メンタル・アカウンティング、後悔回避やプライド、感情とセルフコントロール……。どれも相場の現場では“あるある”だが、実験や研究の知見と結びつけて言語化してくれるので、「自分はいま何に引っ張られているか」を点検しやすい。数式はほとんど使わず、日常の例で腹落ちさせる構成も親切。読みどころは、バイアスを知識で終わらせず、ポートフォリオ構築や売買判断、情報との付き合い方(群集・社会交流)にどう影響するかまでつなげている点。読後は、ルール化(エントリー条件・損切り基準・振り返り)と検証の重要性が自然に見えてくる。相場での失敗を「運」ではなく「再現性ある人間の癖」として扱いたい人に、最初の一冊として薦めたい。
