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哲学と宗教全史

  • 著者:出口治明
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 出版日:2019-08
  • ISBN:9784478101872

書評

哲学も宗教も「結局なにが違う?」で止まる人は買い。古代ギリシャから現代までを人物中心に並べ、宗教の誕生→哲学の誕生→近代合理性までを系譜で俯瞰。世界史の転換点と思想が結びつき、100人超の肖像と人物相関図で読み返すほど理解が締まる。便利。

『哲学と宗教全史』は、宗教と哲学を別々の分野としてではなく、人類が「生き方の問い」に答えるために編み出してきた知の系譜として一冊に束ねた教養書。宗教が誕生する以前から始め、ゾロアスター教・ユダヤ教・キリスト教・イスラーム、そしてギリシャ哲学から近現代思想までを、人物を軸に並べていくので、用語暗記に頼らず全体像がつかめる。100人超の肖像を添え、ソクラテス、孔子、ブッダ、カント、マルクス、ニーチェなどが“同じ地図”の上でつながって見えてくるのが気持ちいい。各時代の世界史の転換点と思想の変化がリンクし、「なぜその考えが必要だったのか」が腹落ちする。読み方は通読でも良いが、気になる宗教・思想家から逆引きし、相関図で前後関係を確認しながら読むと理解が早い。もちろん原典の代わりにはならないが、議論の前提となる共通言語が手に入り、次に深掘りする1冊を迷わず選べる。学び直しの整理整頓として強い。頼れる。