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大英帝国衰亡史

  • 著者:中西輝政
  • 出版社:PHP研究所
  • 出版日:2015-02
  • ISBN:9784569823966

書評

覇権国の「盛衰の型」を短時間で掴みたい人は買い。大英帝国の興隆を支えた3つの戦争と、衰退の節目となった3つの戦争から、主役交代のメカニズムを描く。国際情勢の見方が鋭くなる。

本書は、「日の没するところなし」と呼ばれた大英帝国が、いかにして頂点に立ち、いかにして主役の座を降りていったのかを、歴史評論として骨太に追う一冊です。読みどころは、興隆に寄与した“3つの戦争”と、衰退の節目となった“3つの戦争”に焦点を当て、覇権が生まれる条件、危機の忍び寄り方、そして大国が退場する時のロジックを具体像で示す点。人物描写も交えながら、出来事を「運」ではなく「構造」として読ませます。

単なる英国史ではなく、覇権交代が繰り返される世界の“共通パターン”を抜き出しているので、現代の国際情勢を見る補助線にもなります。山本七平賞・毎日出版文化賞のダブル受賞作として復刊された背景も納得の読み応え。ニュースを追っても腹落ちしない人ほど、「覇権とは何か」を考える土台が整うはずです。