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なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

  • 著者:山口揚平
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 出版日:
  • ISBN:9784478017593

書評

お金を「稼ぐ技」より、価値と交換の仕組みとして捉え直したい人は買い。ゴッホとピカソの対比を入口に、お金=コミュニケーションツールという視点で、これからの資本主義で“得する場所”より“価値創造”へ舵を切る発想を提示する。

本書は、「天才でも貧乏だったゴッホ」と「天才として生前から稼いだピカソ」の差を手がかりに、お金とは何かを再定義しようとする“新・資本論”です。著者は、お金を権力や搾取の象徴としてだけ見るのではなく、笑顔や感謝と同じく、人と人をつなぐコミュニケーションの道具として捉える視点を示します。

その上で、これからの時代は「得するポジション探し」より「価値を創造すること」に集中したほうが強い、という方向へ話を進める。難解な経済学の教科書というより、仕事や生き方の判断軸を整える“考え方の本”に近く、忙しい人でも一気読みしやすい分量です。弱点は、具体的な投資手法やビジネス手順が欲しい人には抽象度が高く感じる点。ただ、価値提供・価格・評価のズレに悩む人ほど、視界がクリアになる一冊です。