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罪と罰(講談社まんが学術文庫)

  • 著者:フョードル・ドストエフスキー(原作)/岩下博美(まんが)
  • 出版社:講談社
  • 出版日:2018-04
  • ISBN:9784065106532

書評

名作『罪と罰』を“物語として一気に掴みたい”人は買い。貧困と思想に揺れる青年の殺人と良心の崩壊を、ミステリー×恋愛×哲学として漫画で濃縮。原作への入口にも最適。

『罪と罰』は、ただの犯罪小説ではなく、「人はどこまで正当化できるのか」「良心は理屈で黙らせられるのか」を突きつける思想小説です。本書はその傑作を、講談社まんが学術文庫として“読める形”に再構成した一冊。主人公ラスコーリニコフは、貧しさと焦りの中で「自分は特別だ」という理屈を組み立て、罪を越えようとします。しかし小さな綻びから追い詰められ、聖女ソーニャとの出会いを通して、理論では処理できない良心の痛みに直面していく。漫画化の強みは、心理の揺れや緊張感が視覚的に伝わり、原作の重さに入る前に“構造”を掴める点です。通読で物語を飲み込み、気になった場面から原作に戻ると、名作の読み味が一段深くなります。