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亜玖夢博士の経済入門

亜玖夢博士の経済入門

  • 著者:橘玲
  • 出版社:文藝春秋
  • 出版日:2007/11/29
  • ISBN:9784163265209

書評

歌舞伎町裏の“亜玖夢コンサルタンツ”に集う人生どん底の相談者たちを、異形の博士が経済学で救う(はずが毎回ひどい方向へ)。ブラックユーモアの短編連作で、笑いながら「世の中の仕組み」の残酷さが腹落ちする一冊。

【どんな本?】
新宿・歌舞伎町裏の「亜玖夢コンサルタンツ」に、借金・いじめ・仕事・家庭…“地獄”を抱えた相談者がやってくる。異形の博士は学識のすべてを注ぎ、「経済理論で解決できる」と言い切るが、処方は常に過激で、結末はだいたい笑えない。そんな短編連作で、1話ごとに「1理論」がスッと入る変化球の経済入門。

【刺さるポイント】
本書が上手いのは、経済学を“正しさ”ではなく“現実に効く力学”として体感させるところ。善意や努力だけでは救われない場面で、インセンティブや情報の偏り、ルール設計の罠が、物語の地獄味とセットで刻まれる。読後はニュースや職場の出来事を見たときに「それ、仕組みの問題では?」と一段深く考える癖がつく。

【こんな人に】
経済の本が続かない人、理屈は苦手だけど“世の中の裏側”を知りたい人。投資やビジネスの前に、まず現実の残酷さを直視して思考の足腰を鍛えたい人におすすめ。